「いまを生きる」の感想とか
「いまを生きる」
全24公演、終わってしまったー。
本当なら、千秋楽の日に全キャストさんにお手紙書きたかったんだけど。そのためにグッズのレターセット3つ買ったんだけど。でもぜんっぜん便箋1.2枚とかにまとまらなくてただの作文になっちゃいそうだったので、ここで記録として残しておこうと思います。
(つまりこれ作文)
物語をざっと振り返ると
舞台は伝統ある規律正しい全寮制の男子進学校。人生を親や学校の期待する見本の型にはめて生きてきた高校生達が、キーティング先生(佐藤隆太くん)と出会い「死せる詩人の会」を通じて夢を追うこと・恋をすること・大胆になることなどの「生きる真髄を味わう」ことを知っていく。
自分に自信がなくて心を閉ざしていた転入生のトッド(永田崇人くん)が、ニール(宮近くん)やキーティング先生のおかげでどんどん自分を表現できるようになる。
その力となったニールが自分の人生を「生きる」ために・「夢を追う」ためにはどうすればいいのかという苦悩の末に自殺してしまう。そしてキーティング先生は責任を追われ学校を去る...
こんなかんじ。
原作を観ないで初日を迎えようとしていたけど、原作を知っている友人に聞いたところ「宮近くんの役はとても辛いし難しい役」と言っていたので、俄然原作に興味が湧いてソッコーでポチった。
結果:洋画であんなに泣いたの初めて
そんなこんなであっという間に初日。
ほぼ、映画のままでした。
映画と比べて舞台だとかなりお話をまとめられるだろうし(生徒役も少ないし)、描写が難しいところもあるんだろうと思っていたけど、ニールの自殺シーンは「死せる詩人の会」と重ねた描写で。
あの描写は確か映画になかったけど、とても天才的な描写だった。(語彙力)
しかも、それまで詩を読みたがらなかったトッドが初めて自作の詩を持ってきた、というトッドがニールに感化されたことがとてもフューチャーされていて。
そして変わっていくトッドを見るキーティング先生の優しい表情。
「ああもうなんで!!!ここにニールがいないの!!!!いたら絶対喜ぶやつじゃん!!(泣)」って思ってるそばから、その後ろ(自分の家)で死を選ぶニールの描写...
トッドの詩、聴いて欲しかったな。トッドもそれを望んで、ニールの帰りを待ってたんだもんね。
何度観ても辛かった。ニールはどんな気持ちで死んでいったんだろう。
この先、生きててもやりたいことができないという絶望から?
初めて父親の敷いたレールから離れてやりたいことやりきったから?
自分が夢を追うことで両親が傷付くのを恐れたから?
その時々によって感じ方が違った。
映画を観た時は、父親に反抗した結果が死だったのかと単純に思ってたけど、宮近くんのニールは色んな見方ができた。
宮近くん自身はパンフレットで「父親のせいではない」と解釈していたようだったから、宮近くんなりにつくりあげたニールだったんだなぁと。
一瞬でも「運命の支配者」になれたニールは幸せだったのかな。そうだといいな。
あの描写、観ているほうはとてもわかりやすかったけど、実際は宮近くんが1人で「死」までもっていってたわけで。ほんとうに大変だったんだろうな。
でもニールがいろんな思いを抱えて死んでいったのは痛いくらい伝わってきた。それはきっと、宮近くんがニールという役に真剣に向き合ってくれたからだろうな。
実世界でも「頑張ってる人には報われて欲しい」って思った。
そして、明るいニールと正反対で内気のトッド。ニールとトッドはとても感性が似ている気がした。
教科書破るところでは、キーティング先生の話を聞きつつその意味を瞬時に理解して破っていくニールと、話を全部聞き終わって自分の中で消化してから破っていくトッド。
キーティング先生の卒アルを見て「死せる詩人の会」の文字にわかりやすく反応したニールと、離れたところからも気になる様子のトッド。
似てると思ったから寮も同室にされたのかな?って考えすぎ?w 細かい人間関係は映画とはまたちょっと違うかもしれないけど、観劇後にそういう裏設定考えるのも楽しかったな。
ていうかトッド役の永田崇人くんの演技がヤバイ。うまい。惚れる。(語彙力)
初日、映画版と重ねながら点と点を線で結ぶように1つ1つのシーンを観ていたけど、ニールの死を知った時の崩れ落ちるトッドを見て、点とか線とか全部ふっとばしてこっちも崩れ落ちそうになった。泣けた。
毎回、そのシーンとラストの「おおキャプテン我がキャプテン!」で机に立つときのトッドにはほんとに泣かされた。
キーティング先生とニールに出会って変われたトッドが最後に見れて、感動の涙。
あのシーンは映画にもあるけど、映画の何倍も感動した。 2時間ちょいで悲しい涙と感動の涙の両方が流せるってなかなかない、と思う。
この流れで生徒役のみんなにフューチャーすると、ヌワンダ役の田川隼嗣くんもやばいね。あれは沼だよ。(だから語彙力)
役柄的にも存在感あるけど、崇人くんに負けない演技力!!サックスはこの舞台のために練習したみたいだけど、そんなの感じさせないくらい力強いし...
でも本人は人見知りらしく、ヌワンダとは正反対らしいw え、ちょーかわいくない?しかもまだ17歳だって。絶対沼だよこれ←
ミークス役のせいしゅうくんはお芝居の歴が長いだけあってとても安定してたなぁ。しめちゃん演じるノックスと仲良し設定で、いいとこでボケる役割だったけど、もっと目立つシーンあげてほしかったなぁ。洞窟でもミークスだけ読んでないしね。(映画版がどうだったかは覚えてない...)
でもミークスがみんなにいじられるのはあの物語の中でもかなりのほっこりポイントでした。
あ、ほっこりポイントと言えばさ。
ところどころハードな下ネタぶっ込んでくるのウケたよねww 男子校ってあんな感じなの?っていうww
(´ρ`*)コホンコホン
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ノックス役のしめちゃんは、まぁーしめちゃんの可愛らしさが際立つ役柄で。あの中だったらノックスはしめちゃんしかいなかったね。(でも映画のノックスってあんなにほわほわしてたっけ?w)
実はわたししめちゃんの演技ちゃんと観るのお初だったけど、所作も自然でわりと好きなタイプの演技だったなー。また見たい!そして「ちっくしょーー!!」が頭から離れないw
うみちゃんは初日、こっちにも伝わるくらい緊張してたような。雑誌でもずっと言ってたから勝手にそう感じたのかもしれないけど。でもみんながみんな前を向いて歩いていくあの物語で、それを(止めたくないのに)止めようとするキャメロンを演じるの難しかっただろうなぁ。最後ずっと目をぎゅっと閉じてる姿がキャメロンの気持ちを表してるようで印象的だった。
そして主演の佐藤隆太くん。
キーティング先生まじでかっこいい。
厳しい学校の中で、生徒に寄り添い・時に叱咤し・いいところも悪い所も受け入れる。 時に学校とも戦う。あんな先生いたらそりゃあ感化されるよ。
前半はそうでもなかったけど、後半になるにつれてキーティング先生のおちゃらけ具合が隆太くんっぽくてウケたw(もちろん役からは抜けてないけど)
ラストシーンはトッド・ノックス・ミークスの「おおキャプテン我がキャプテン」の言葉に感動して泣きながら教室を去るんだけど、千秋楽は涙が止まらないままカテコに出てきた。有名な映画で日本で初の舞台化、隆太くん自身も好きな映画だったみたいだし、プレッシャー的なものもあったのかなぁ。でもあれは隆太くんだから演じれたんじゃないかなと思う。
また隆太くんのお芝居観にいきたい。
長くなっちゃった。
ここに書ききれなかったノーラン校長役の大和田さん、ニールパパ役の冨家さん、クリス役の羽瀬川なぎさん、そしてピアノの江草さんにチェロの橋本さん。素敵な舞台をありがとうございました。
宮近くん目当てで観にいった舞台でたくさんの気付きをもらえて、とても楽しい24公演でした。(もちろん全部は入ってないけどw)
宮近くんをニール役に選んでくれた人、ほんとうにありがとうございます。そのおかげで素敵な物語に出会えました。そしてますます宮近くんのファンになってしまいました←
宮近くん、「太陽のかわりに音楽を」を経てとても演技上手になった気がするなぁ。まだ独特のオーバーリアクションは否めないけど、ニールの陰と陽をあれだけ明確に表現できたのはすごいと思うし、普段からトラジャの中心にいてムードメーカー的存在である宮近くんだからこそ出せたものなのかな、とも思った。贔屓目は承知の上ですが。
でも担当ではありません、わたしはいちファンです。(まだ言う)
悲しいけど感動もする、という2時間で感情がめちゃくちゃ忙しくてわりとつらい部分もあったけど、でも何度でも観たかった。また観たい。映像化されないのが残念すぎる。映像化されたら擦り切れるまで見るのに。(昭和か)
でも再演するならお尻痛くないところがいいな(小声)
キャスト、スタッフの皆様
全24公演
ほんとうにお疲れ様でした。
Carpe diem